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カリノ界隈

フリーライターカリノのブログです。

なぜ彼らはフリーランスにならなければいけなかったのか?

ライター

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この1月から専業のフリーライターになった。多少のブランクはあるが、大学を卒業して15年以上、ずっと組織の中で働いてきた。私にとって初めてのフリーランス生活だ。

 

夏にライターの仕事を始めて以来、twitterやブログで他のライターの方の様子を見てきた。ライターには、先日までの私のように企業に勤めながら副業としてライターをしている人と、これからの私のように専業ライターとして働く人がいる。専業ライターの人もほとんどが以前は企業に勤めていた経歴があるようだ。

 

私は彼らを知り始めた頃から不思議だった。なぜ彼らはフリーランスとしての道を選んだのだろうと。彼らのうちの何人かはブログでフリーランスライターとなった経緯を語っている。正確な調査をしたわけではないのだけれど「昔からフリーランスになりたかった」という人は少ない。そうではなく、「会社員生活にうんざりして」フリーランスの道を選んだ人がとても多いように感じる。

 

私は人事畑の人間だ。採用や人材教育、人事評価制度に携わってきた時間が長い。新人フォローを受け持つキャリアカウンセラーとして働いていたこともある。だから、ついライターの彼らのことも「人材」として見てしまう。

 

彼らは人材としてとても優秀だ。もちろん実際の仕事の様子を見ているわけじゃないけれど、twitterやブログでの発言を見るだけで、彼らが真摯に仕事に向き合っている様子がわかる。自分の強みを探し、それぞれにベストなやり方をトライ&エラーを繰り返しながら模索している。時には人の意見を聞いたり、どうしたらいいのかと悩んだりしながら、仕事を投げ出すことなくライターであり続けている。そしてちゃんと結果を求めている。こんな彼らが有能でないわけがない。

 

私が採用担当者だったら、間違いなく採用している。上司だったら、彼らを信頼し、仕事を任せ、どうすればより成長してもらえるか、真剣に考えるだろう。人事部員であれば、どうしたら彼らが満足して働ける環境をつくれるか、彼らを社外に流出させないためにどうすればいいか、ワクワクしながらアタマを悩ませるはずだ。

 

でも彼らは会社を辞めてしまった。フリーランスになりたいからではなく、会社を辞めたいから辞めてしまった。なぜ、と思う。彼らならばきっと組織の中でも能力が発揮できていたはずだ。できていたのに辞めてしまったのなら、きちんとした評価ができていなかったのか、気持ちよく働ける環境や人間関係を提供できなかったのだろう。能力を発揮させることができていなかったのなら、発揮してもらえる場所や仕事や気持ちを提供することができなかったのだろう。どちらにしても企業側の怠慢のように思える。

 

もちろん、企業が社員に必要以上に譲歩する必要はない。どんなに素晴らしい場を提供できても、そこからこぼれてしまう社員は必ずいる。そこは切り捨てても仕方ないし、切り捨てるべきだとさえ思う。

 

でも私が知るフリーランスの彼らはそういう対象になる人材じゃない。それとも組織に向く人間とフリーランスに向く人間は根本的に異なるのか?フリーランスで活躍している人も組織の中では腑抜けになってしまうことがあるのか?強過ぎる自我や個性やポリシーが組織の中では邪魔になるのか?個人的にはそれほどに強い何かがあったらフリーランスとしても働くのは難しいのではないかと思うのだけど。そういう人は芸術家にでもなるしかないんじゃないかな。

 

考えれば考えるほど、なんだか腹が立ってくる。

彼らを活かすことができなかった会社というものに。

彼らが会社や組織に対して呪詛の言葉を吐くのを見ると、歯噛みするほど悔しくなる。

能力のある人を輝かせることのできないシステムに。

きっと私も、そういう人を救えなかったり、生み出してしまったりしたんだろうなと、過去の自分に対しても。

 

書いても書いても悔しいのは、私がまだ、組織で働くことへの感傷に浸っているからかもしれない。

よりよい組織をつくりたいと思い続けてきた日々に、まだ未練があるからかもしれない。

こういう愛着こそが、組織を腐らせてきたのかもしれない。

私はフリーランスなんてガラじゃないのかもしれない。

 

でも、人はきっと1人じゃできないことをするために組織になったはずなのに。

もちろんフリーランスでも一時的にチームを組んで組織として働くことはできるだろう。

でもサッカー日本代表より鹿島アントラーズが強いように(言い切った! )、いつも一緒に仕事をしてるということは、お互いをよく知って同じ目的に向かって仕事をするということは、本来すごい強みになるはずなのに。

 

でもあんなに有能な人々が辞める道を選んでいるということは、多くの企業が、組織の強みより、組織の弱みを垂れ流しているということなんだろう。

 

なんだか本当に悔しい。

悔しくて仕方がない。

 

 

ほんとは「ここが悪いよ、日本企業」的な記事にするつもりだったのに、悔しさで筆が滑って感情的な話に終始してしまった。

自由に書けることの難しさを実感。